■障害児と健常児を持ってはじめて分かったこと。
たくさんの子供たちの笑顔と出会い、この笑顔を見守る事が私の仕事の使命です。
私が長男を産んだ時、が見守る笑顔の第一号でした。計画分娩で万難を配した出産なのに、生まれた子供(長男)は陣痛促進剤の影響で心臓に欠陥有(大動脈狭窄)?? 軽度でしたが知能障害を持って生きて行かなければならない運命を背負って生まれてきました。(ウイリアムス症候群・・米国では愛の子と言われています・・生まれてくる時に妬み嫉み憎しみを神の元に忘れてきた子供たち、愛する事が大好きで、戦う事を嫌う子供たち)
何故・どうして・わたしが・・・・嘆きと悲しみの日々、目の前の子供がどうか誤診でありますように。 突然、奇跡が起きて・・な~んだ夢じゃないか・・いつも、そしていまでも思って、祈って、息子は今23歳になりました。
私がいなくなった時、この子一人では、そんな思いで次男(笑顔第二号)を生んで、今20歳です。障害児と健常児を持ってはじめて、どちらの子供も私に同じように夢と希望、そして期待と心配を勉強させてくれています。
■生活の中で学ぶ知恵
長男の存在は、私に優しさと思いやりの心を勉強させてくれました。
小学校2年生の時、私にこんな事を尋ねてきました。お母さん、僕一生懸命勉強しているんだけど出来ないんだ、どうしてかな?中学1年生の時友達に馬鹿にされいじめられた時、僕もう頑張れないかもしれない・・息子の言葉は私には切なく、この子に責任は無いのに、でも一生背負って生きていかなければならない息子が不憫に感じながら、私の口から出た言葉は「いいよ・・頑張らなくても、たくさん頑張ったもんね・・でも友達って良いもんだと思うんだけど・・」そんな私の言葉に息子は「僕も友達ほしいよ・・でもどうしたら良いのか分からないんだ・・」「よし・・考えてみようか・・お母さんが思うには・・まず仲良くなりたいと思うこと・・その次は自分のいけない事を治す事・・少しづつやってみようか」そんな私の言葉に元気になってくれた息子がいて、友達は少ししか出来なかったけれど、休む事なく元気で学校へ通い、時々「楽しい?友達出来た、」と聞くと「う~んぼちぼちかな・・でも楽しいよ、」と答えてくれる息子の優しさが私を励ましてくれた。
次男の存在は、私に勇気と強さの心を勉強させてくれました。中学でサッカー命と真っ黒になって励んでいる、そんな時「友達のお母さんからAくんとは付き合わないほうが良いよと言われたんだ、友達もあいつあんまり良くない奴だから止めた方が言いと思うよ・・皆が言うんだ・・如何したら良いのか分からない?」そんな相談を受けて、「貴方はAくんの事を好きなの?」「うん・・ちょっと問題が無いわけではないけれど、人が言うほど悪い奴ではないと思っている」私はそんな息子の言葉をちょっと温かく聞きながら「自分に正直にする事が良いと思う・・そして人の判断で決めると責任の取り方がとても難しい、責任の取り方はなるべく簡単な方が良いと思う、自分で決めれば、自分が反省をする事で責任が取れるけれど、人の判断に従うと責任は如何すればいいのかしら」息子に自分の責任で勇気を持って判断をして欲しかったのと素晴らしい問題に出会って悩んで答えを出すのなら、色んな勉強をして欲しかった、周りの人に見えなかった良いところを彼が感じたのなら、大事にしてほしかった、その事を息子に気がついて欲しかった。これが生活の中で学ぶ知恵。
■便利なもの、でも…
子供と向き合う時、何をしてやればいいのか、何を言ってやればいいのか、大人として知恵を巡らして考え、良い答えを探すなかでまた大人も知恵を身に付けて行く。でも頑張れない事も沢山ある、大人だって頑張れない事一杯ある・・頑張る事も大切だけど頑張れない事を認めたり、頑張らなくてもいいと思う事もとても大切な事、逃げるんではなく、受け止める事、それが、頑張らなくても出来る事を・・見つける事になるんだと気がついて、なんだかちょっとホットして気持ちが少し優しくなれて、子供の成長と一緒に母親に少しずつなっていく事に改めて気が付きました。
生きていく知恵が一つ増えていく毎に、いろんな問題がとても楽に答えが出せるようになっていくような気がします。知識は沢山有るほど賢くなります、でも知識だけで良いのだろうか、知恵と知識が有って素晴らしい考えが生まれるのではないだろうか?知識を増やすのは簡単な事、学校でも教えてくれるし、本からも学ぶ事が出来ます。勉強の出来る子、優秀な人達は皆、知識が豊富です。
では、知恵はどの様にすればいいのでしょうか?知恵は生活の中から身につけるもの、学ぶ事のような気がします。おばあちゃんの知恵・・昔の人の知恵、経験と体験から学ぶ事がとても多い。知識は道具で知恵は思い、知識を生かすも殺すも思い次第。思いを育てるのは、家族であり、大人達です。大人達が知恵を授ける、知恵は生きていくために欠くことの出来ない思い良い知恵はきっと幸せを齎し、悪知恵は身を滅ぼす事になる。だから・・良い知恵を大人も身に付け、知恵を巡らしましょう。